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開発者インタビュー

ブロガーが聞く! キヤノン最新スキャナー「imageFORMULA DR-P215」開発者座談会

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<座談会の模様>

  キヤノン電子東京本社で11月9日、キヤノンのドキュメントスキャナー「imageFORMULA」をテーマにしたブロガー座談会が開催されました。シリーズ最新モデル「DR-P215」を手がけた開発者2名と、スキャナー情報サイト「スキャナビ!」に寄稿する個人ブロガー3名が集まって、それぞれの観点から意見を交わしました。

 

●収納性も考えた両面対応コンパクトスキャナー「DR-P215」

今回の座談会にはキヤノンからお二人の開発者が出席されました。おもに製品デザイン面に関する解説を行ったのが、キヤノン株式会社 総合デザインセンターの得田弘之さん(プロダクト第二デザイン部 プロダクト23デザイン室 室長)。製品設計の面からはキヤノン電子株式会社IMS事業部の小田桐眞人さん(IMS開発センター IMS第二設計部 IMS第21設計課 主任研究員)が解説をしてくれました。

一方のブロガー勢は「エアロプレイン」の中山記男さん、「カイ士伝」の甲斐祐樹さん、「ムジログ」の脇村隆さん。3人とも日常的にスキャナーを活用しているそうです。なお、このほかにもキヤノンマーケティングジャパン株式会社の製品担当者や、「スキャナビ!」の運営元であるアジャイルメディア・ネットワークの関係者も同席しました。

<キヤノン電子東京本社。東京タワーの真横にあります>

<同社の会議室で座談会が行われました>

<座談会に参加されたブロガーの皆さん>

<製品開発担当者として、キヤノンの得田さん(左)とキヤノン電子の小田桐さんが出席しました>

座談会冒頭では、まずDR-P215の特長について、得田さん、小田桐さんがそれぞれ解説しました。その中で第1に挙げられたのが「コンパクトに収納できる」という点です。得田さんは「このサイズ感のスキャナーをお探しの方は、一般的には、スキャンする枚数がそれほど多くはありません。未使用の際は、邪魔にならないよう収納しておくのが自然な格好になります」と、フラットベッド型スキャナー(コピー機のように、撮影素子部分を動かして原稿を読み込む方式)とはまったく違う利用ニーズがあることを指摘しました。

<DR-P215。こちらは原稿台を開いた状態>

 このため、DR-P215では引き出しなどにサッと収納できるよう、未使用時はほぼ直方体になるデザインを採用しました。それでいて、表面に凹凸がほとんどないため、収納場所への収まりも良くなります。使用するときだけ取り出して、使用準備をすればけばいい訳です。

また、収納している時間が長いということは、付属品の管理も煩雑になりがちです。いざ使おうという時にACアダプターの収納場所を忘れてしまった、ということも考えらます。

そこで、DR-P215ではUSBバスパワー駆動方式が採用されています。USBケーブルでPCと接続すれば、データ送受信とともに給電を行うため、ACアダプター不要で動作します。加えて、USBケーブルを2本同時にPC接続するか、あるいはオプションのACアダプターを利用すると、スキャナー側への給電量が向上し、フルスペックでの動作が可能になります。これによって原稿読み取り速度も向上するのです。

パスパワー駆動、そしてUSBケーブル2本差しによる読み込み速度の向上は、前モデルにあたるDR-150でも用意されていました。しかしDR-P215では、USB3.0に新たに対応したのが大きな特長です。USB3.0ポート1つで0.9Aの電力を供給できるため、ケーブル1本でもフルスペックでの動作が可能になっています。デスクトップPC、ノートPCともUSB3.0搭載モデルは増加傾向にありますから、今後はより気軽に高速読み取りができるようになるでしょう。

また、「プラグアンドスキャン」機能もパワーアップしました。本体背面にある「Auto Startスイッチ」をオンにしておくと、PC接続時、スキャナーに内蔵されたアプリケーションが自動起動。これを使えば、ドライバーをインストールすることなくスキャン機能が利用できます。従来モデルではWindowsのみ利用可能でしたが、DR-P215では新たにMacにも標準対応しました。

もう1つの新機能が「カードスキャン」です。DR-P215は、A4文書などを数十枚単位で連続読み込みできる「ドキュメントスキャナー」と呼ばれるカテゴリーの製品ですが、排紙口部分にカード読み込み専用スロットが設けられました。ここに免許証、クレジットカード、住民基本台帳カードなどを差し込めば、特別な準備なく両面スキャンできます。各種カードをあらかじめスキャンしておけば、カード自体を紛失した際の備えになりそうです。

 

●キヤノン製品ならではのデザインをDR-P215でも

<デザインを担当した得田さん自ら、そのコンセプトを語った>

 ここで得田さんから、DR-P215の製品デザインに関する狙いが解説されました。「前モデルのDR-150の頃からの理念なのですが、とにかくコンパクトで邪魔にならないデザインを心がけました。DR-P215ではカードスキャン機能が追加されましたが、寸法などはほぼ前モデルを踏襲できています」と、そのサイズ感の維持は大きなチャレンジだと明かしてくれました。

DR-P215では、外観面の質感も大きく変更されました。前モデルがピアノブラック調の鏡面仕上げだったのに対し、今回はマット仕上げ、かつ表面にシボ加工が施されました。「ピアノブラックはかなりご評価をいただいたのですが、やはり持ち運びが非常に多いモデルだったため、指紋が付着しやすいとか、傷がつきやすいといった声も一方で多く頂戴しました。その声に応えるための改善ポイントです」と得田さんは語っています。

DR-P215の色味自体はブラックとシルバーのツートンカラーという比較的オーソドックスなものですが、ここでも大きなチャレンジがあったそうです。「やはり2色の塗り分けを行うとなると、コストに跳ね返ります。ただ今回は、視覚的により薄く感じてもらうために、特にツートンカラーにしました」(得田さん)

得田さんによると、近年のキヤノン製品は「キヤノンらしさ」にこだわったデザインを心がけているのだとか。カメラ製品で培われたデザインイメージを、その他分野にも持ち込むことで、一見してキヤノン製品と認識できるようにすることが究極の目標だそうです。得田さんは「色としての黒、シャープさ、コンパクトさがキヤノンの特色だと考えています。DR-P215の仕上げにもそれらを合わせ込んだつもりですので、一眼レフカメラなどのイメージを少しでも感じ取ってもらえれば」と説明してくれました。

 

●薄さ維持、新機能追加を両立した設計

<製品設計時のエピソードを語る小田桐さん>

一方、小田桐さんからはDR-P215の製品設計の様子が語られました。「デザイン同様、設計の面でも前モデルのDR-150を意識しました。中でも、特にご好評をいただいた“薄さ”には、DR-P215でもこだわりました」

デザインの統一感をより高める狙いで、内蔵ソフトウェア「CaptureOnTouch Lite」の外観を本体カラーに合わせた黒基調へ変更することを小田桐さんらの所属部署で発案。実際に採用されました。「より統一されたデザインの製品を、お客様に届けられたと思います」と小田桐さんは語っています。

 

●こだわり満載のカードスキャン機能

<カードスキャン中のDR-P215をチェックするブロガーの皆さん>

得田さんと小田桐さんによる解説が終わると、今度はブロガーの3人から質問が上がりました。中でもその中心となったのがカードスキャン機能です。A4文書のスキャンは、本体上部にある原稿台から自動紙送りするのに対し、カードスキャンは本体手前側の排紙口右側から対象物を読み込ませる手法をとっています。この部分のみ、厚みのあるカードでも手動で挿入できる仕組みなのです。

それだけでなく、カードスキャンはスイッチバック方式での読み取りを行っています。具体的には、カードを本体側へ完全に引き込み、いったんは反対側(本体背面)にカードが飛び出るという独特の構造をとりました。クレジットカードなどでは、数字部分を浮き彫りにする「エンボス加工」が施されていますが、こういったカードの読み取りにも対応しています。機構の実装的にも、かなりの手間がかけられているのです。

小田桐さんによると、カードスキャンは海外で特に需要の高い機能なのだそうです。特に米国では、IDカード類を銀行や病院などあらゆる場面で提示する必要があり、その窓口業務でIDカードをスキャンする際に使われています。

コンパクトなドキュメントスキャナーであれば、窓口1つに1台を設置できます。お客様の身分証明書を、コピーなどのために一瞬とはいえ預かる行為は、時によって不正行為を想像させます。お客様の目の前でスキャンできれば、この問題は100%回避できるだけに、カードスキャン機能の有無は重要なようです。

もちろん個人ユースであっても、カード類をスキャンしておきたいという需要は少なからずあります。構造上、フラットベッド型のスキャナーならばカード読み込みは簡単ですが、設置場所の大きさの問題からそもそも導入できないという可能性もあります。未使用時は収納しておけるほどコンパクトなDR-P215で、両面カードスキャンができる点は、機能面で大きなアドバンテージと言えるでしょう。

ちなみにスイッチバック方式のメリットは「カード引き込み時に斜め補正を行い、排出時により正確にスキャンできること」(小田桐さん)だそうです。また、別体式のアダプターも必要としません。

 

●imageFORMULA型番法則のヒミツ

カードスキャン機能のデモンストレーションを見ながらも、ブロガーの3人は「(本体が軽いので)滑り止めが欲しいかな」「オフィス内で共用することが多いので、プラグインスキャン機能切り換えスイッチの状況がわかりやすくなってほしい」「できれば本体の左右でケーブルを着脱したい」など、さまざまな意見を寄せていました。

<「エアロプレイン」の中山記男さん>

<「カイ士伝」の甲斐祐樹さん>

<「ムジログ」の脇村隆さん>

「エアロプレイン」の中山さんからは「原稿補助プレートが(I字でなく)V字に固定できる理由は?」との質問が出ましたが、これは原稿台にセットした用紙のたわみを抑えるためにより有利だからと、開発のお二人が答えてくれました。また「カイ士伝」の甲斐さんは、スキャン時の音が大きくなりがちな理由として「パッド」と呼ばれる排出口近くのゴム部分の影響があるのではという意見が寄せられました。ただ、この部品は原稿の搬送性能に直接影響を与えるため、静音性とのバランスをとりつつ常に改善を行っていくと、得田さんと小田桐さんは説明していました。

同じく甲斐さんからは、imageFORMULAの型番ルールに関する素朴な疑問も寄せられました。前モデルがDR-150だったのに対し、新モデルはDR-P215と、“P”が新たに加わっているからです。

小田桐さんらによると、キヤノン製スキャナーは型番設定ルールを再編中なのだそうです。例えば、すでに発売中のDR-C125の「C」やDR-P215の「P」は、製品カテゴリーを意味し、想定使用シーンや価格帯などをもとに制定されています。

一方の数値にはより明確な意味づけがなされています。DR-C125ならば「1」が第1世代機、「25」が「1分あたりの最大スキャン枚数25枚」。DR-P215は第2世代の毎分15枚読み取り機という訳です。このように品番を見るだけで、アルファベットから製品カテゴリーが、数字からは発売順序や読み取り性能が類推できるようになりつつあります。

ちなみに「DR-150」は実質的に第1世代機にあたりますが、型番ルール再編前の製品。「DR」はずばり「ドキュメントリーダー」の略だそうです。

 

●排紙スペースゼロのDR-C125にも注目集まる

<DR-C125に関する意見交換も行われた>

今回の座談会に出席したブロガーの皆さんは、すでにDR-C125の試用も行っており、同機についての質問も数多く飛びました。特に中山さんは、本体前面に排紙スペースを必要としない点がお気に入りとのことで、DR-C125を机の足元に置き、さらに壁へぴったりと寄せる「足元設置スタイル」を自身のブログで紹介するほど。「書類や資料の一時ストッカーとしても便利。ひとまずそこに置いておいて、あとでスキャンするか廃棄するか決めてます」(中山さん)

得田さんらも「そういった使われ方はまったく想像していませんでした」と驚いていましたが、実用上の問題は特にないだろうとのこと。ただ中山さん自身、この設置方法はほこりが気になるそうです。必要に応じてカバーを開け、ブロワーでほこりを飛ばせば大丈夫だろうと、開発の小田桐さんとも意見を交換していました。

また、得田さんはDR-C125の開発にも参画していました。その上で「スキャナー本体の設置面積を抑えつつ、それでいて排紙スペースをゼロにするということはある意味悲願でもありました」とお話しされたことからも、キヤノン製品史においても非常にエポックメイキングな機種であることが伺えます。ただし排紙の処理には相当の困難があったようで、小田桐さんも「開発者としては、排紙の方向をもっと寝かせたかったんですが」と苦笑いしていました。

多彩な意見が交わされる中、座談会は1時間ほどで終了。スキャナー情報サイト「スキャナビ!」では今後、座談会に出席したブロガーの皆さんによるDR-P215試用レポートを掲載する予定です。

 

・キヤノン ドキュメントスキャナー「imageFORMULA」製品情報ページ

http://cweb.canon.jp/imageformula/

・DR-P215製品情報

http://cweb.canon.jp/imageformula/lineup/p215/

・スキャナビ!(アジャイルメディア・ネットワーク)

http://scanavi.agilemedia.jp/

・スキャナビ!開設に関するプレスリリース

http://agilemedia.jp/blog/2011/10/post_318.html